東京の交通 · 2026年10月9日

東京メトロ東西線05系、2026年12月から新省エネ駆動システムを営業運転へ

東京メトロは、東西線05系の一部で床下機器を大きく更新します。同期リラクタンスモータと超小型VVVFインバータを組み合わせた新システムを搭載する最初の編成は、2026年12月に営業運転を始める予定です。2030年度までに計9編成への導入が計画されています。

2026年10月9日Tokyo Metro · Tozai Line · 05 seriesAwesome Tokyo ニュースチーム

要点:ダイヤ改正ではなく、走行用モータと電力変換装置の更新です。東京メトロは置き換え前の機器に比べて約20〜30%の省エネ効果を見込んでいます。最初の05系は12月に通常の営業列車として走り、2030年度までに9編成へ広げる計画です。

何が発表されたのか

東京メトロと三菱電機は10月8日、東西線05系に「SynTRACS」同期リラクタンスモータと超小型VVVFインバータを組み合わせた新しい主回路システムを導入すると発表しました。両社によると、この組み合わせを鉄道車両の主回路に採用するのは世界初です。

モータ技術そのものは実績があります。SynTRACSは日比谷線13000系で実証試験、営業線での長期評価、営業運用が行われ、一般的な誘導モータシステムに比べて約18%の省エネ効果が定量的に確認されたとしています。

東西線版で何が変わるのか

05系への導入では、東京メトロはさらに約20〜30%の省エネ効果を見込んでいます。新しいモータは、更新前のモータに比べて約9%軽くしながら、出力を約22%高めています。

インバータも大幅に小型化されます。SiCパワー半導体と高性能CPUを使い、従来機器に比べて体積を約81%、重量を約43%削減。既存車両の限られた床下スペースに新しい機器を収めやすくする狙いがあります。

いつ乗客が利用できるのか

新システムを搭載した最初の05系は、2026年12月に営業運転を開始する予定です。2030年度までに合計9編成へ導入する計画です。

東西線の全車両が一度に切り替わるわけではありません。更新編成は他の車両と一緒に通常運用されるため、このシステム専用の時刻表、別運賃、停車駅や本数の変更は発表されていません。

乗って分かる違いはある?

多くの乗客にとって、最初の変化は目立たない可能性があります。新内装や新駅、新路線ではなく、主に床下の走行機器の更新だからです。最大の狙いは省エネ、軽量化、冷却装置の小型化、そして既存車両を効率よく更新できることです。

走行音や加速感が変わる可能性はありますが、東京メトロは今回の発表で「速くなる」「静かになる」といった乗客向け効果を約束していません。実際の営業運転が始まるまでは断定しない方がよいでしょう。

仕組みを簡単に

同期リラクタンスモータは、回転子内部の磁気抵抗の差を利用してトルクを生みます。鉄道で一般的な誘導モータと比べ、回転子の発熱損失を抑え、効率と重量面で有利になるのが特徴です。

10両編成1本あたり、定格250kW・重量551kgのモータを16台、重量140kgのインバータを16台搭載する構成です。インバータはモータへ送る電力を制御する装置で、既存車両の更新では小型・軽量であるほど配置の自由度が高まります。

1編成以上の意味

東西線は東京メトロでも利用者の多い路線です。実運用で想定どおりの省エネが得られれば、更新編成が毎日加速・走行するたびに効果が積み重なります。

注目点は、完全な新造車だけに頼らず、既存の05系を高効率化する方法を取っていることです。省エネ、機器スペース、車両更新コストのバランスを考える他の鉄道事業者にとっても参考になり得ます。

次に確認したいこと

次の節目は2026年12月の営業運転開始予定です。その後は、日常運用で20〜30%という省エネ見込みがどこまで確認されるか、残る8編成への導入がどのペースで進むかがポイントです。

現時点で利用者が特別に予約したり、乗り方を変えたりする必要はありません。通常の東西線ダイヤと運賃を使えばよく、これは新サービスではなく車両技術の更新です。

Awesome Tokyo ニュースチーム

出典メモ:東京メトロと三菱電機が2026年10月8日に発表。12月開始と2030年度まで9編成は現時点の予定で、試運転・導入状況によって変更される可能性があります。